新社屋建設レポートその2

 愛知県豊橋市佐藤5丁目で建設が進む新社屋では、基礎工事がいよいよ大詰めを迎えています。2026年5月、当社が担当する設備工事がスタートし、トイレなどの衛生設備の配管を設置するための準備作業「スリーブ入れ」を行いました。

 基礎工事では、建物を地震などの揺れに強くするため、まずは地中に杭を打ち込み、その上に建物全体を支える鉄筋コンクリートの土台をつくります。鉄筋を組み、その周囲を型枠で囲い、内部にコンクリートを流し込むという重要な工程です。

スリーブ入れ

 この基礎工事において、三河設備工業が担当する主な作業は「スリーブ入れ」と「埋設配管」です。水道やトイレ、空調設備などを快適かつ安全に使用できるよう、完成形を思い描きながら配管の位置を決めていきます。

 建物内部には、きれいな水を送る給水管や汚物を流す排水管、空気を通すダクトなど、多種多様な管が張り巡らされています。どのルートで配管やダクトを設置するかによって、設備の使いやすさと施工品質が大きく変わるため、そこには知識と技術とセンスが求められます。

 

 特に排水管において重要なのが「勾配」。単に傾きを急にすればよいわけではなく、水や汚物がスムーズに流れるよう、すべての配管に適切な角度をつける必要があります。

 配管やダクトを通すトンネルの役割を果たすのが「スリーブ」です。職人たちは設計図を確認しながら、鉄筋の隙間にスリーブを設置していきます。スリーブの高さや角度は、配管の勾配に大きく影響するため、地面からの高さや角度を何度も測定しながら慎重に作業を進めました。この作業は職人3人と現場監督2人の計5人で実施し、1日で完了しました。

 

コンクリート打設

 次に三河設備工業が現場に入ったのは、鉄筋の周囲に型枠が組まれた約10日後。コンクリートを流し込む工程で、スリーブがずれていないかを最終確認するため、再び現場を訪れました。

 コンクリート打設当日には、大型のコンクリートポンプ車が現場に登場。折りたたみ式の長いブームから、高圧でコンクリートを型枠内へ送り込み、内部に隙間なく行き渡るよう、現場には型枠を叩く音が鳴り響きました。

 また、この日は現場前の道路に立つ電柱の撤去も同時に行われました。新社屋は4階建てとなるため、バルコニー付近の安全性を考慮して電線の位置を変更。これまで旧社屋を見守ってきた電柱は、この日、その役目を終えました。

 

埋設配管

 6月4日からは、排水管や給水管などを地中に埋める「埋設配管」の作業を実施しました。雨の翌日とあって現場は泥だらけ。長靴に泥がまとわりつき、通常以上に体力を消耗しながらの作業となりました。

 スリーブの中を通して配管したのは、水・お湯・排泄物など汚水・キッチンの排水の4種類。それぞれを迷路のように這わせていく、複雑かつ精密な工程です。

 今回の新社屋は、地中深く掘削して基礎を築いているため、埋め戻した土が沈下して空洞が生じると、配管が支えを失って折れるおそれがあります。そこで、それぞれの管に吊りバンドを取り付け、上部に敷く鉄筋コンクリートから吊り下げる形で固定。長期にわたり安全に水を使い続けるための工夫が、ここにも施されていました。